第50回 彗星会議(オンライン開催)

期間2022(令和4)年7月10日(日)10:00~17:00
会場オンライン開催(ホストは京都産業大学)
参加者数 
実行委員長河北 秀世
分科会捜索(村上 茂樹)、位置・軌道(門田 健一)、
光度(吉本 勝巳)、物理(渡部 潤一)

       
時刻内容発表者備考
10:00~10:10 開会あいさつ

日程・諸注意など
河北 秀世(彗星会議運営委員長)
渡部 潤一(前 彗星会議運営委員長)
LOC事務局
 
10:15~10:30第50回彗星会議ビデオメッセージ関 勉(コメットハンター)映像編集は下元繁男さん
10:35~10:55 デジカメでの彗星観測
  ①「デジカメでの彗星撮影」
津村 光則 ※デジカメ講座は発表15分、質疑応答5分
11:00~11:20 デジカメでの彗星観測
  ②「デジカメでの光度測定」
張替 憲  
11:25~11:45 デジカメでの彗星観測
  ③「デジカメでのダストの尾の観測」
西田 信幸  
11:50~12:15 最近の彗星界の動向 佐藤 裕久(東亜天文学会 彗星課) リンク先の表の色の説明
  薄緑色: A/objectsとして符号がつけられたもの
       (後に彗星活動が確認されたものはC/になったものを含みます。
        *をつけています)。
  薄青色:2022年になって確認されたもの。
  薄黄色:検出されたもの。  
12:15~13:15 昼休み    
13:15~14:10 基調講演
「ロゼッタ探査機が明らかにした彗星の姿」
小林 仁美(株式会社フォトクロス)  
14:10~14:20 休憩    
14:20~14:40 研究発表
「C/2021 A1の偏光観測」
鈴木 文二(渋谷教育学園) ※研究発表は、発表15分、質疑応答5分

 直線偏光フィルタを用いた偏光撮像カメラを製作した。
波長域は,可視光の測光標準システム5波長およびC2
バンドである。41cmRC(F8)に装着した場合の対角視野
は約45',解像度は約1"/pixelである。拡散天体で10等
前後,高度は全方位で5゜まで偏光撮像が可能である。
今回は,C/2021 A1の観測結果を紹介する。
14:45~15:05 研究発表
「ジャコビニ・ツィナー彗星の偏光撮像観測」
新中 善晴(京都産業大学)  ジャコビニ・ツィナー彗星は周期6.6年の短周期彗星で
10月りゅう座流星群(旧称ジャコビニ流星群)の母天体
であり、先行研究より、揮発性分子とダストの両方で特異
な性質を持つ彗星であることが知られている。我々は同彗星
を構成するダストの性質を明らかにすることを目的として、
2018年9月に国立天文台三鷹キャンパスの50センチ公開
望遠鏡/偏光撮像装置PICOで同彗星の偏光撮像観測を実施
した。本発表では、ジャコビニ・ツィナー彗星の偏光撮像
観測の結果について紹介する。
15:10~15:30 研究発表
「彗星のダストの尾に対するローレンツ力の影響」
西岡 公彦(星の広場)  ヘール・ボップすい星の20天文単位以上の遠方でダストの
尾にローレンツ力が働いている事が発見された。
Kramer(2014) Kramer et al.(2014) Icarus 236 136–145
の研究をレビューする。
15:35~15:55 研究発表
「73P分裂彗星起源の流星群の観測について」
渡部 潤一(国立天文台) ヘルクレス座τ流星群は、73P/Schwassmann-Wachmann彗星を
起源とする流星群である。1930年に周期5.4年の短周期彗星として
発見され、その後の軌道解析から、流星群を引き起こす可能性が
指摘された。発見時の観測記録を見てみると、当時も分裂していた
可能性が高いことがわかった。また、同年には花山天文台で、微光
流星の多数の出現が記録された。その後、彗星は行方不明となり、
流星群の出現もないまま半世紀が過ぎた。1979年に彗星は再発見
され、1995年9月に分裂・アウトバーストを起こし、肉眼等級と
なった。分裂後は雲散霧消する例も多いが、この彗星の分裂核は、
その後もBとC核は2000年の回帰でも生き残り、2006年には地球に
接近し、多数の破片が観測された。
我々のグループでは1995年の分裂時を起源とする流星体が流星群
として出現する計算・予測を行い、秒速26-7mの放出速度があれば
2022年5月31日に流星群として出現することを指摘した。これは通常
の彗星活動の流星体の放出速度よりかなり早く、否定的な意見も
あったが、分裂現象の激しさを検証する格好の機会であったため、
予測極大時刻に観測条件の良い米国に遠征観測を試み、出現を捉えた。
本発表では、本遠征観測の経緯と結果を紹介する。
  ポスター発表
「レナード彗星(C/2021 A1)の光度観測結果」
織部 隆明(鳥取市さじアストロパーク) 2021年最初に発見されたレナード彗星 C/2021 A1 は2021年末
肉眼彗星になることが期待されたので、さじアストロパークの
103㎝反射望遠鏡を使い、Vバンドで約10ヵ月に渡り光度観測を
おこなった。その結果を報告する。
(資料はこちら)
  ポスター発表
「22等級でとらえたポンス・ブルックス彗星(12P)」
織部 隆明(鳥取市さじアストロパーク) 2024年4月、71年ぶりに回帰するポンス・ブルックス彗星を
今回帰世界で2番目にとらえた天文台となるべく、約2年に
渡り観測を続け、2022年4月末に22.1等で観測に成功した。
それについて報告する。
(資料はこちら)
16:00~16:05 ブレークアウト・ルームの説明と準備 事務局  
16:05~16:40 分科会 ①捜索   (座長:村上 茂樹さん)
②位置・軌道(座長:門田 健一さん)
③光度   (座長:吉本 勝巳さん)
④物理   (座長:渡部 潤一さん)
 
16:40~16:50 分科会の報告 各座長  
16:50~17:00 『彗星会議50回記念誌』について
終わりのあいさつ
織部 隆明(鳥取市さじアストロパーク)
河北 秀世(彗星会議運営委員長)
 


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